パワハラ

► 自律神経失調症1


A.Tさん 会社員 女性24才
彼女は、入社2年目で本社から支社の支社長サブとして着任した、要は仕事の出来る人のようでした。
上層部からの期待も高く、将来は着任先の支店長とウワサされていたもよう。
着任先での仕事は、支社長のサブとして部下6人を任され、仕事の能率アップ、部下たちのまとめ役として、そして支店の売上アップなどやることは山積みで、彼女はやる気満々でした。

本社からのお墨付ではありましたが、彼女には、なんの野心もなくただ今は与えられた仕事を精一杯頑張ろう!という気持ちでした。

ひとまず部下たち6人からの信頼を得ることから始めました。
(間違ってないです!)

部下への仕事のアドバイスなどをしているうちに、部下たちには支社長への不満が満ちていることが判明しました。

彼女を信頼して話してくれているので、部下を裏切るわけにはいきませんが、そのままにしておくのも出来ません。どうしたものか、、彼女は思いあぐねていました。

支社長はというと、本社からの指示などの不満と部下への何か、、不安感があるようだったと彼女は云います。(部下からの不満を知っていたのかもしれません)

支社長は、直接部下に指示することをやめ、全て彼女を通すようになりました。
しばらくして支社長は、部下への不満や本社からの締付けの吐け口を彼女にぶつけ始めました。
電話を壁にぶつけたり、部下が思うようにならない時には、ゴミ箱を蹴り上げたり。。
(パワハラですわwそれ。。)

部下たちからは、支社長への不満をなんとかして欲しいと訴えられ、支社長からは、部下の仕事のやり方が悪いのは彼女のせいであると詰られていました。

板挟みになった彼女は、 どうしたらこの支社がまとまるのか、、、どうしたら上手くいくのか。。。毎日その事ばかりを考えていました。

ある日、会社帰りの電車の中で悲しくないのに涙が溢れてきました。
人から分からないように必死で上を向きながら涙を堪えていたそうです。

自宅に帰ってからも、電気を付けず真っ暗の部屋の中でどうしたら良いんだろうと考え続けた。そんな日が何日も続いたと云っていました。

ある日の夜、学生時代の親友が訪ねて来ました。
真っ暗の中で涙を流しながら、じっとしていた彼女を見て、
これは大変な事態かもしれないと感じて、早々に私に連絡があり

二人で私のところに相談にやってきました。

話を聞けば聞くほど、ヒドイ!

意気揚々で会社に入ったばかりで、経験も浅い彼女がこんなことで板挟みになって潰れてしまうのを放っては置けません。

まずは、もっと自分を大切にする事を説明させていただき、この状況は5年も6年も続かないと説明しました。
知らないうちに涙が出てしまうのは、完全に心が合図を送っているのだという事を認識してもらいました。

そして自律神経訓練法のひとつでもある呼吸法を試してみて欲しい。とアドバイスしました。


►自律神経失調症2(自律神経訓練法)


一般的には、自律神経失調症と呼ばれる症状を改善する訓練法で、過度なストレスなどで、自律神経のバランスを失い自分でコントロールできない症状が現れた時に実施するとても効果的な方法です。

自律神経失調症は、人によっていろいろなケースがありますので、もしこんな症状が出たら疑ってみてください。
*些細な事が気になって眠れない。(寝た気がしない)
 *起床時に疲れている。
*心臓が苦しくなる。(脈が飛ぶ)
*息苦しい。
*顔だけまたは手足だけ汗が出る。
*胸が(心)がザワつく。
*いつも胃が重い
などです。

A.Tさんのケースは、自然に涙が溢れてくる、夜に真っ暗な部屋で仕事の事を考えてばかりという症状がありますので、このまま放っておくと、どんどん悪化する可能性がありましたので、自律神経訓練法をオススメしました。

リラックスした状態でする呼吸法ですが、彼女はなかなかリラックスが出来ない生真面目な性格ですので、ベッドな中で寝る前に行ってみてくださいとお願いしました。



まず両腕、両足を自然に広げ、手のひらは上に向けて寝てください。

1、目を閉じ、深呼吸します。

 鼻から吸って口から吐き出す時にゆっくりゆっくり吐き出す。
 落ち着くまで3〜4回くらい。

2、「気持ちが落ち着いている」と心の中で2〜3回つぶやく。
 無理に気持ちを落ち着かせる事はしないように、ゆっくりゆっくりつぶやく。

3、身体に集中して自己暗示していきます。
 全身に温かいものが流れてくるイメージで、
 右腕から右手のひら、左腕から左手のひら、右足から足先、左足から足先と順番に
 温かいものが流れていきます。

4、今度は、重さを感じていきます。
 「右手が重い」「右手が重い」と心でつぶやく。
 「左手が重い」「左手が重い」と心でつぶやく。
 ゆっくりゆっくり。。。
 「右足が重い」「右足が重い」と心でつぶやく。
 「左足が重い」「左足が重い」と心でつぶやく。

5、今度は、温かさを感じていきます。
 「右手が温かい」「右手が温かい」と心でつぶやく。
 「左手が温かい」「左手が温かい」と心でつぶやく。
 ゆっくりゆっくり。。。
 「右足が温かい」「右足が温かい」と心でつぶやく。
 「左足が温かい」「左足が温かい」と心でつぶやく。

6、両手、両足が重くて温かく感じられるようになったら、
 「気持ちが落ち着いている」「気持ちが落ち着いている」と2〜3回心でつぶやく。

7、眠くなった時は、そのまま寝てください。

8、もし起きたい時は、リラックスした感じを味わってから、両手を強く握り、
 パッと開きます。
 2〜3回繰り返し、両手を曲げたり伸ばしたりして目を開けてください。

これが基本の自律神経訓練法です。
最初は、上手く出来ないかもしれませんが、毎日練習してみてください。

この訓練法をA.Tさんにオススメしました。


►自律神経失調症3


その後のA.Tさんの様子をお知らせしましょう。
最初は、上手く出来なかった自律神経訓練法。
集中しようとしても、今日の出来事が思い出されてしまいます。

その頃の彼女は、顔が支社長の方に向けられなくなっていました。
支社長と話をする時、どうしても目を見る事が出来ない。
ただの話の時でも、身体がゆうことを聞かないというのです。
(重症ですよ。。。。)

これは、、、会社関係者に話さなければ分かってはもらえない。
学生時代の友達、カウンセラー、両親。。自分の事を心配してくれている人たちにいくら話をしても、自分に起こっているこの非常事態に答えは出ないと思ったそうです。

それでもアドバイス通りに自律神経訓練法を毎晩続けていました。

ある晩、ふと気付きました。カウンセラーの言っていた事。



「この状況は永遠に続く訳がない!」

今の状況が変わらないなら、自分の考えを変えてみよう!
どうせ今の状況は、5年も6年も続く事はないのだから。
と気付いたその時、彼女の心に変化が起こりました。

支社長に貸しが出来た!と。


さて、その後。。。支社長を哀れむ気持ちが湧いて来たと言います。

そして、この状況が、自分のせいではない事を認識しました。
部下と支社長との間になり、ひとり思い悩んでいた事に気が付いたのです。

その後、彼女は楽天的になりました。



部下とは、より信頼関係を持ちつつ、支社長へは、、自分は支社長の部下であり、アドバイスを受ける側である。にも関わらず、不満を自分にぶつけている。これは問題のある上司である。

いつしか、客観的に今の状況が判断出来るようになっていました。
(やりました!)

毎晩の自律神経訓練法を信じて続けた結果でしょうか、リラックス効果が生まれ、自分で解決法を見つけたようですね。

この後、本当か?!という事実を彼女から聞きました。
自律神経訓練法を毎晩続けるうちに、幽体離脱した!というのです。
寝ている自分を見た!という彼女の笑顔は今でも焼き付いています。

幽体離脱は、本人でないと分からない事ですが、笑顔で「また遊びに来まーす!」と言って明るく帰って行った彼女は、一回り大きくなっていたように見えました。


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